格差是正の労働者保護政策。割を食うのはまじめな日本企業との声。
2008年3月号 BUSINESS
労働者の長期安定雇用を目指した労働契約法が1月1日、中国で施行され、労使関係が大きく変わろうとしている。中国が労働者保護強化に乗り出したため、企業は負担増を免れられず、「安い人件費」を当てにしていた当初の目算は大きく狂うことになった。細かい規定を記した実施条例が3月にも制定される見通しで、今後、大きな混乱も予想される。利幅の薄い産業界は、生産品目の見直しのほか、中国の内陸やベトナムなど海外への工場の移転、廃業などの対応に迫られている。もともと人民元の対ドル為替レートの上昇で輸出産業は苦しく、原油高など原材料も高騰。労働者の権利意識の高まりで、従業員確保も難しくなっていた。そこへ新法が施行され、「とどめを刺された」と考える経営者もいる。2008年は中国が改革開放政策に転換して30周年。中国が受け入れた外資(契約ベース)は06年までに60万件、1兆4800億 ………
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