2008年3月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
原子力安全・保安院は原子力発電所の定期検査の間隔延長を目指していたが、先送りする方針を決めた。原発を抱える自治体や地元住民の不安が解消されていないためだ。保安院は「引き続き関係者の理解を求める」と言うが、昨年の新潟県中越沖地震の際に東京電力の柏崎刈羽原発で起きたトラブルなどで、原発への信頼が揺らいでおり、打開の見通しは立っていない。定期検査の間隔は現在、一律13カ月以内と定められているが、電力会社は原発の稼働率向上などのため間隔延長を要望。保安院は原子炉ごとに国が過去のトラブル発生履歴などをチェックし、優良と判断すれば最長で24カ月まで延ばせるようにすることを検討している。それにより原子炉の状態に応じてメリハリのある適切な検査が可能になると、関係自治体や住民への説明に力を入れてきたが、自治体や住民からは「なぜ中越沖地震などで原発への不安があ ………
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