凍河越境千里行

北朝鮮から逃げてきた女

2008年3月号 GLOBAL [集中連載 「脱北者」地下潜伏ルポ<上>]

中朝国境の冬は零下10度を下回る。凍結した国境の豆満江(トウマンガン、中国名・図們江[トウモンジアン])の川面は雪化粧し、長径30センチほどの楕円形の穴が点在する。北朝鮮からの脱出住民(脱北者)が横切った痕跡だ。両国の監視強化で、今冬その数は急減した。かつて脱北者だった金美燕(キムミヨン、42歳、女)はいま、新天地・韓国で生きる。昨年末には韓国での2度目の結婚を遂げ、転職も経験した。「北朝鮮から逃げてきた女」として辱めを受けてきた中国潜伏生活、その時に世話になった日本人男性との思い出をかき消すかのように、自由主義社会の気ままさを満喫しているのだ。

豆満江を渡る

美燕は1965年、北朝鮮咸鏡南道咸興(ハムギヨンナムドハムフン)生まれ。幼いころから人を笑わせることが得意で、7歳で「漫談師」になった。同年代の男子とペアで道内を巡業して舞台に立ち、時にはラジオの時事風 ………

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