「万能細胞」山中教授の類い希なる瞬発力

文科相らに「オール日本」の研究体制づくりを直訴。総勢20人のチームで、圧倒的な米国に立ち向かう。

2008年2月号 LIFE

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京都大学再生医科学研究所の山中伸弥教授は今、最も輝いている基礎医学者の一人である。神戸大学医学部卒の46歳。2年間の臨床研修医の体験から、重症患者を救う根本的な手立てを求めて基礎研究に転じ、米国留学後、奈良先端科学技術大学教授を経て2004年から現職。無骨で一本気な雰囲気が漂うが、仕事の中身がノーベル賞級と聞けば、思わず見る角度も違ってこよう。ニューヨークタイムズが半年の間に2度も1面記事で、山中教授の業績を絶賛した。最初は、07年6月7日付。マウスの皮膚細胞から、心臓や神経、角膜などあらゆる細胞に変化(分化)する可能性を持つ新「万能細胞」を作製したとの論文が科学誌「ネイチャー」電子版に発表された直後だった。2度目は、同年12月11日付の科学面別刷りの1面から4面にかけて。11月21日に科学誌「セル」電子版に、成人の皮膚細胞由来の万能細胞作製を発表し、再生医療 ………

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