山下りんとロシアのイコン

2008年2月号 連載 [硯の海 当世「言の葉」考 第22回]

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いつかは必ず行ってみたいと思っていたロシアのサンクトペテルブルクへ行ったのは、2年前の4月のことである。モスクワでの会議出席のあと、単身、向かった。エルミタージュ美術館、ロシア美術館など見たいところはたくさんある。何よりも歴史と芸術の都であり、プーチン大統領の故郷でもある。4月初めのロシアは朝晩、凍えるほどの寒さだ。次にいつ訪れるかわからないと、まるで強迫観念にかられたかのように、2泊3日、ほとんど歩きずくめだった。ロシア美術館で近代ロシア絵画の大作をたくさん見たのが収穫だったが、エルミタージュで案内してくれたロシア人ガイドがこう言った。「ほんとに絵が好きなんですね。山下りんのイコンも日本で見たことがありますか?」そのときまで山下りん(洗礼名イリナ)について何も知らなかった。明治の初めに単身、ペテルブルクへやってきてイコン絵画を学んだ日本人 ………

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