松坂屋元社長 鈴木 正雄氏

創業家を棚上げした剛腕

2008年2月号 連載 [ひとつの人生]

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1985年4月、松坂屋(本店・名古屋市)で開かれた臨時取締役会。16代伊藤次郎左衛門会長の死去により、わずか3カ月前に副社長から会長に就任したばかりの鈴木正雄氏が社長に収まり、創業家の伊藤洋太郎社長が代表権のない会長に棚上げされる人事が電撃的に決まった。それまで370年余りの歴史の中で、創業家以外の社長は初めてだった。「私は工作などしていない。皆に推された」と本人は否定したが、腹心の役員らと連携し、自らが実権を握る事実上のクーデターだった。老舗百貨店で起きた「お家騒動」は全国的にも注目を集めたが、その後の松坂屋を大きく左右する分岐点となった。鈴木氏は、生まれ故郷である愛知県岡崎市の商業高校を出た叩き上げ。戦前の36年に松坂屋に入った。親分肌で現場からの信頼が厚く、順調に出世を重ねると、伊藤家を支える番頭格として社内でにらみを利かすようになった。クー ………

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