「嫌われヒラリー」涙の復活

大本命が緒戦で躓き、瀬戸際に追い詰められた。初の「女性」対「黒人」。奇跡の巻き返しの“秘密”は?

2008年2月号 DEEP [米大統領選序盤戦]

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わずか5日間でこれほど劇的な「天国と地獄」も珍しい。1月8日、米大統領選序盤戦の第2幕――東部ニューハンプシャー州の民主党予備選で、大方の予想に反し39%対37%で接戦を制したヒラリー・クリントンは破顔一笑した。「さあ、一緒に、ニューハンプシャーがたったいま私に与えてくれたようなカムバックを、われらがアメリカにも与えましょう!」もちろん、夫のビル・クリントンが1992年、同じニューハンプシャーで奇跡的な2位につけ、自ら「カムバック・キッド」と称して、一気に大統領当選まで突っ走った過去にちなむ。だが、緒戦のアイオワ州予備選はこうではなかった。

「権力亡者」に人間味の涙

黒人の上院議員バラク・オバマ(得票率38%)、元上院議員ジョン・エドワーズ(30%)に次ぐ第3位(29%)と、全米では常にフロントランナー(先頭走者)だった大本命としては、屈辱的な結果だったのだ。3日夜、ヒラリーは州都デ ………

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