新聞は「携帯回線、ドコモに開放命令」と書いた。その裏で繰り広げられた凄まじい暗闘劇。
2008年1月号 BUSINESS
すんでのことでドンデン返しが起きかけたが、新聞は無警戒だった。11月22日、総務省の電気通信事業紛争処理委員会(委員長・森永規彦広島国際大学教授)は、通信ベンチャーの日本通信がドコモに携帯回線網の開放を求めている問題で、エンドエンド料金や帯域幅課金など日本通信の主張を大筋認める答申を出した。これを受けた増田寛也総務相の大臣裁定で「日本通信全面勝訴」が確定すると誰もが疑わなかった。ところが、3連休を挟んだ26日夕、NTTドコモの伊東則昭執行役員経営企画部長は勝ち誇っていた。「ドコモは負けたと思っていない。総務省の役人は実務を知らないが、森永先生は無線工学の専門家だから、輻輳(ふくそう)(通信の混雑)問題が大事だと主張して答申に入れた。粘った日本通信はあれで気の毒に骨折り損。もう相互接続の旗をおろして、卸方式の相対(あいたい)取引に応じるべきだ」相互 ………
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