NEC元会長 関本 忠弘氏

「怪物経営者」の無念

2008年1月号 連載 [ひとつの人生]

  • はてなブックマークに追加

「1995年の4月19日には、為替レートが1ドル=79円75銭までいったんだ」NEC元会長の関本忠弘氏はこんな数字がスラスラと言えるほど、記憶力が抜群に良かった。ただ、対ドルで史上最高値をつけた円レートが脳裏に焼きついているには理由がある。それは関本氏の米国に対する感情に起因するからだ。「ボクは何も米国と敵対しろ、などと言っているのではない。率直に言うべきことを言える大人の関係になればいい」こう前置きしながらも、関本氏は対米批判をよく口にした。通商摩擦に関しては、「対日貿易赤字に悩む米国が円高というミサイルを日本に撃ち込んできた」などと過激に表現。逆にアジア通貨危機の洗礼を浴びながらも、米国に向けて意気軒昂に自説を主張していたマレーシアのマハティール首相のことなどを称えていた。「結局、アメリカにやられたようなものだ」NECの会長辞任に追い込まれた1998年の ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。