末路悲しき三洋電機「井植父子」

浮上したファミリー企業への違法配当疑惑。淡路島にため込んだ資産を剥奪されそうだ。

2008年1月号 DEEP

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三洋電機社長の佐野精一郎は最近、大株主である米ゴールドマン・サックスや大和証券SMBC、三井住友銀行の金融3社を相手に「腹は括りました」としばしば口にするという。経営危機に陥った三洋は2006年3月、3千億円の第三者割当増資を実施。引き受けた金融3社が議決権の約6割を握った。その3社は、創業家3代目の井植敏雅社長と激しく対立。07年4月に敏雅を事実上解任し、後任社長に佐野が就いた。これにより創業以来60年続いた井植家による同族支配は終わりを告げた。もっとも佐野を指名したのは敏雅で、「金融3社が送り込んだ経営陣との衝突が絶えなかった敏雅の唯一の相談相手だった」と三洋関係者は言う。敏雅にしてみれば子飼いの佐野を社長に据え、傀儡政権を作る魂胆だったのだろう。その佐野が「腹を括った」とは、いかなる心境か――。三洋幹部は「経営再建に向けてあらゆる手段を尽くすということ ………

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