NOVAを買収した稲吉正樹の「正体」

塾経営から出発した元地方公務員。38歳ながら怒濤の攻勢には舌を巻くが、内部統制には危うさも。

2008年1月号 DEEP

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「8月の株主総会では、『今後、M&Aは抑えて、内部固めを進めていく』と稲吉社長は言っていたのに、まったく驚いたよ」会社更生法を申請した英会話学校大手NOVAのスポンサーに、名古屋の新興企業グループ「ジー・コミュニケーション(ジー・コミ)」が決まった翌日、同社に出資するベンチャーキャピタルの関係者は、こう漏らした。大阪の記者会見場でも、詰め掛けた報道陣の誰もが、初めて聞く社名に驚いた。実はジー・コミのメーンバンクの三菱東京UFJ銀行も、11月6日の発表の日まで、NOVAのスポンサーに決まったことを知らされていなかった。

塾「がんばる学園」が母体

名古屋に本社を置き、塾や外食産業を展開するジー・コミは、元は愛知県蒲郡市の職員だった稲吉正樹が1994年に始めた学習塾「がんばる学園」が母体。市役所を辞めた稲吉はしばらくは「がんばる学園」の拡大に邁進していた。しかし、2000年、稲吉が30歳の時に ………

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