英TCI「宣戦布告」に経産省狼狽

乗っ取りをめざさないモノ言う株主は、スティールと違う。“鎖国”すれば、資本が干上がる。

2008年1月号 BUSINESS

  • はてなブックマークに追加

2007年という年は後世、日本経済史に「国際資本市場に通じるパイプを政府の意思で閉ざした“鎖国元年”」として刻まれるに違いない。電力卸最大手「電源開発」(Jパワー)の中垣喜彦社長ら経営陣の手元に11月下旬、1通の書簡が電子データの形で届いた。送り主は、筆頭株主(07年9月末現在で持ち株比率9・9%)の英系投資ファンド「ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド」(TCI)だった。「我々は、過去6年間において貴社の企業価値が下落を続けていることに深い憂慮の念を覚えます」1ページ目から厳しい調子の言葉が並ぶ書簡は、単に増配を要求する3月の文書とは明らかに様相が異なり、宣戦布告とも読める。株主資本利益率(ROE)や総資産利益率(ROA)が下落している理由として、一般事業会社との株式の持ち合いや、主導権を取れない海外事業への小口投資など、Jパワー経営陣による株主資本の無 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。