北の完勝・日本の完敗 その原因は何か

2008年1月号 連載 [「軍略」探照灯 第21回]

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11月16日、ブッシュ米大統領は福田首相とホワイトハウスで会談し、拉致問題については「決して忘れることはない」と語った。これは借金の返済を求められた人が「忘れた訳ではない」と答えるとか、男が別れようとする女性に「君のことは忘れない」と言うのに似て、実際には「申し訳ないがお役に立てない」との意向を婉曲に表現した外交辞令だ。6者協議で北朝鮮は望むもの全てを手に入れた。寧辺の核施設の稼働停止、封印は呑んだが、米国の科学・国際安全保障研究所は北朝鮮はすでに核爆弾3発ないし12発分の兵器級プルトニウムを保有すると推計している。寧辺の核施設停止には、これ以上作らせない効果しかなく、6カ月か1年で再稼働も可能だ。2007年2月13日に6者協議で採択された共同文書ではIAEA(国際原子力機関)の査察対象は寧辺の施設に限られている。現実問題としても核爆弾の中心に入れるプルトニ ………

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