イラン「重包囲」外交の釣り餌

ロシアも欧州も中東周辺国も巻き込み、硬軟両様でテヘランに「核開発断念」を迫る米国。

2007年12月号 GLOBAL [米国のアメとムチ]

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何だろう。ワシントンに漂うこの緊迫した空気は。小声で囁かれる言葉は「サージカル・アタック」(外科手術的攻撃)――イランの核施設を米国が空から一撃して、核兵器開発を阻止する軍事行動である。無理もない。以下の報道だけを見れば「米・イラン戦争近し」と早合点しても仕方あるまい。10月17日――ブッシュ大統領が「第3次世界大戦を回避したいなら、イランが核兵器製造に必要な知識を得ることを阻止すべきだ」と言明。10月21日――チェイニー副大統領が「(イランが核開発を停止しない場合)重大な結果を与える用意がある」と警告。10月25日――ポールソン財務長官とライス国務長官が「イラン革命防衛隊は大量破壊兵器の拡散に関わる組織」と指定し、米企業・個人との取引を禁止する金融制裁を発動すると発表。この制裁法の下、革命防衛隊傘下の精鋭部隊「クッズ部隊」が主権国家の軍として初めて「テロ ………

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