安斎 隆氏 セブン銀行社長

渦中にあって「水到りて」の自然体

2007年12月号 連載 [経営者のひきだし 第20回]

  • はてなブックマークに追加

「到水成渠」(水到りて、渠となる)――水は流れ、自然に低いところに溜まる。そして、再び流れ始めて、地形に従って溝となる。経済界の「陰の実力者」である牛尾治朗さん(ウシオ電機会長)が、本社の応接室に、この書を架けている。「人生に無理な作為は禁物。悠々と、自然体ですごそう」という教えだ。出典はうかがっていないが、あるがままの人生を歪めてしまう野心や嫉妬などを、静かに戒めた言葉だ。政財官界の渦の中に身を置いてきて、達した心境なのだろう。あるがままの人生。それを貫いてきた経営者と言えば、この人だ。安斎隆さん。全国のコンビニなどにATMを置くだけで業績を伸ばすセブン銀行の社長。東北大学から日本銀行へ。役員にまでなった後、経営破綻で国有化された日本長期信用銀行の「最後の頭取」へ転じ、後始末を終えてイトーヨーカドーグループに招かれた。進学も、就職も、2度に ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。