食料など生活全般に物価高が波及して、これは1970年代のようなスタグフレーション再来の兆しか。
2007年12月号 BUSINESS [不況下のインフレ]
まさかと思っていた「その時」が近い。原油が1バレル100ドルをつける日――。11月6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は、指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)が一時1バレル97・10ドルと、97ドル台に乗せたのだ。7日の時間外取引では98・62ドルまで上昇し、「100ドル」はもう指呼の間になった。それが日本の家計を直撃する。ガソリンはレギュラーで1リットル150円、ハイオクにいたっては170円台も登場、「満タンにすると万札が消える。つくづく物価高を実感します」と悲鳴が聞こえる。解せない。原価3~5ドルの原油がなぜ3ケタの大台なのか。まず「不安定の弧」がキナ臭い。トルコからシリア、イラク、イラン、アフガニスタン、パキスタンに及ぶ地域の動揺は石油危機を予感させ、そこに「週間石油在庫が減少するのでは」との思惑が火をつけた。それに ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。