スター出現を待望人形浄瑠璃「文楽」

大衆化と伝統維持の狭間で生まれた有望人材。研修生上がりの人間国宝へあと一歩。

2007年11月号 DEEP

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心の奥まで染み渡る義大夫の語り、鋭く切り込む太棹(三味線)の音、生身の人間以上に女や武士を描き分ける人形の振り……。人形浄瑠璃「文楽」の魅力は限りない。国立劇場で開催された9月東京公演『夏祭浪花鑑』『菅原伝授手習鑑』は、いつにも増して大盛況だった。人気の人形遣い、重要無形文化財保持者(人間国宝)の故吉田玉男の一周忌追善に加えて、このほど新たに人間国宝に認定された義大夫の竹本綱大夫と三味線の鶴沢清治の東京初お目見えも重なったからである。東京・国立劇場の定期公演は、年に5、6回ということで毎回、チケットの騒ぎをする。これも、客を呼べるスター技芸員(文楽の演技者をこう呼ぶ)あってのことである。三業(大夫、三味線、人形遣いを指す)の技芸員たちも、人気稼業である。人間国宝といえども、追善興行で客を呼べるスターはそうはいない。70年余もの間、端正で気品の ………

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