サブプライム、最後のツケは米国外

2007年11月号 連載 [隗より始めよ]

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欧米の大手金融機関本体や関連ファンドが、アメリカのサブプライム問題に絡み、多額の損失を被ったと相次いで報じられている。この10年ほどの間にアメリカが証券化と国際化の旗を振り、その波に乗ってサブプライムと称する信用力の低い個人向け住宅ローンが膨張し、世界中に拡散した。今では全容を把握するのが難しくなり、金融機関相互の取引が地雷原を歩いているかのように、警戒感を緩められずにいる。もともと、まともに審査したら与信できないような層に対して、住宅ローンを拡大したわけだから、焦げつく比率がきわめて高くなるのは火を見るより明らかだった。それでも果敢に貸し出したのは、アメリカが経済成長を高める手段として、サブプライムローンに大きな役割を託したからである。アメリカは80年代から経常収支の赤字が恒常化し、10年も経たない内に世界最大の対外純債務国となった。教科書 ………

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