「ニッチ企業」信越化学が強い理由

手練の81歳社長が陣頭指揮。目立たぬ「黒衣」ながら、時価総額は業界トップだ。

2007年10月号 BUSINESS

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化学大手の信越化学工業が絶好調だ。2007年3月期連結決算では、売上高が4年連続で過去最高を更新して1兆3047億円。営業利益は2410億円、純利益は1540億円で、ともに12年連続の最高益だった。とくに利益はこの3年間で倍増。これが企業価値を示す時価総額を3兆6427億円(9月6日現在)という国内化学業界トップに押し上げている。時価総額は、傘下に三菱ウェルファーマなどの医薬も抱え、売上高で国内首位の三菱ケミカルホールディングスの約2倍。住友化学、三井化学、旭化成といった大手と比べても3~5倍になる。6月の株主総会で事前警告型の買収防衛策を導入したが、金川千尋社長(81)は「買収者に今の経営陣の代わりはいないと思わせるほうが大事」と自信満々だ。好業績を支えているのは、半導体に使われるシリコンと、日本では嫌われ者の塩化ビニルの事業だ。どちらも最終製品ではなく、産業界の「黒 ………

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