大和ハウス会長の「経営極意」

『熱湯経営 ――「大組織病」に勝つ』

2007年10月号 連載 [BOOK Review]

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非常に平易に書かれた「経営哲学書」である。平易だが、熱意、熱気が伝わってくる。著者は、住宅業界の「勝ち組」と言われる大和ハウス工業の現役会長。経営者として、人間として成長するプロセスで、現場での成功や失敗から汲み取ったことを具体的に著している。経営は「科学」であるとの見方がある。財務諸表、市場調査などの分析データを重視して戦略を練る。しかし、戦略と実行の間には「溝」がある。その「溝」を埋めるのは、経営者や社員の熱意であることを、著者は強く意識しているように見える。会社を思う熱意があればこそ、厳しい決断もできる。またその熱意が部下に伝わり、やる気を誘発する。本書のタイトルには「熱湯」と付いているが、これは「熱意」という意味としても受け止めることができる。同社の専務だった著者が、債務超過寸前の子会社社長就任を命じられる場面からストーリーは始 ………

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