下町に600メートルの夢の塔。が、高さゆえに電波障害のコストがばかにならない。
2007年9月号 DEEP
アナログテレビ放送が終了する2011年、メガロポリス東京に新たなシンボルが誕生するという。墨田区押上に建設予定の600メートル級放送鉄塔、その名も「新タワー」。表向きは「デジタル放送サービスをよりよく視聴者に還元するため」としているが、「昭和3大バカ査定」と言われた戦艦大和、伊勢湾干拓、青函トンネル並みの「トンデモ計画」と疑問視する声は根強い。関東一円の1300万世帯をカバーする現在の東京タワーをスクラップにして、墨田の川向こうに移転するメリットの有無を、検証してみよう。まず、新タワーは現在の東京タワーの「建て替え」ではない。事業主体の社名が「新東京タワー株式会社」なのに、塔の名称に東京の2字が抜けているのは、商標登録に抵触するからで、新旧タワーの間には何の合意もなく資本系列も別々。現タワーは、産経新聞を創刊した新聞王、故前田久吉の残した日本電波塔 ………
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