「オール電化」にたじろぐ大阪ガス

客の奪い合いは関東の比ではない。犬猿の仲、関電vs大ガスの縄張り争いは想像を絶する。

2007年9月号 BUSINESS

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6月7日、かつての商都大阪の栄華をしのばせる重厚な建物、綿業会館(1931年竣工)前で大阪市の関淳一市長、大阪商工会議所の野村明雄会頭(大阪ガス会長)らが出席して、ガス灯の点灯式が行われた。大阪市中心部を南北に走り、商業集積地「船場」の名残をとどめる三休橋筋沿いに50基を設置する計画で、30基は大阪ガスが、20基は経済評論家の堺屋太一氏を囲む「うずの会」が寄贈した。ガス灯の輝きは式典参加者の郷愁を誘ったが、野村氏の心中はそう単純ではなかったはずだ。ガスの歴史は、ずっと電気に駆逐される物語だった。ガス灯はそのシンボリックな存在で、電力会社の「オール電化」攻勢に苦しめられている現状が、野村氏の脳裏をよぎったのではないか。文明開化に登場したガス灯は、やがて電球にとって代わられた。薪を燃やすかまどと釜のコンビをガス炊飯器に置き換え、普及させたが、こちらも火 ………

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