大敗自民の圧力は薄れても、「ポスト福井」を人質に民主党が牽制球。株価不安定などブレーキ要因は数々…。
2007年9月号 BUSINESS [金融政策と総裁人事]
7月29日――自民党が歴史的大敗を喫した日、関東地方などは落雷と豪雨に見舞われた。地球温暖化の影響だろうか、亜熱帯さながらに叩きつけるような大粒の雨。のんびり構えていた日本経済の地平線にも、怪しい積乱雲が黒く立ちこめ始めた。8月利上げをめざす日銀の金融政策が主戦場になろうとしている。よほど腹に据えかねたのだろう。大敗の責任をとって辞意を表明した中川秀直自民党幹事長が8月7日、政府月例経済報告の関係閣僚会議で日銀の福井俊彦総裁に噛みついた。「地方を中心に国民が成長を実感できないのは、名目成長率がなかなか上昇しないためだ」――参院選1人区でドミノ倒しのように小沢民主党に敗れた原因は、金融政策でデフレ脱却に協力しなかった日銀にあり、と言わんばかりの恨み言である。前日の経済財政諮問会議でも、大田弘子経済財政担当相が「デフレ脱却が遅れている」として、日銀の ………
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