温家宝首相「辞意」説の爆弾

秋の党大会を控え、激化する権力闘争。経済政策への反発に温一族批判も絡み、誰が漁夫の利を……。

2007年8月号 GLOBAL [中国指導部人事]

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中国の温家宝首相(64)が業務多忙を理由に来春以降続投しない、との意向を示した――6月3日に日本の共同通信が報じたスクープである。中国消息筋の話として、温首相の一日の睡眠時間はわずか4時間前後で、本人が周囲に「激務の首相職は5年で十分」、留任する意思はない、と話したと伝えている。ただ、共同通信は「現時点で有力な後継者は見当たらず、最終的には続投する可能性が高い」とも書いており、最高指導部の人事異動がある5年に1度の第17回党大会(17大)を秋に控えて「指導部内で波紋が広がっている」としている。これまで温首相続投は確実視され、17大で「6年後のバトンタッチへ向けて後継者が政治局常務委員に抜擢される」とみられてきたが、温首相が見せた辞意は意外に固く、指導部は全人代常務委員長(国会議長)への異動も検討しているという。6月4日夜、中国外務省(外交部)の劉建超スポ ………

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