夢にかける橋をつくる
2007年8月号 連載 [第二の男]
ビジネスヒーローの転落が目立つ。起業家の夢が貧しくなった。事業は単なる金儲け。不正な利益追求に血眼になっては情けない。町工場から世界のホンダを築いた本田宗一郎。自動車修理工場を始めた若い日は、「一生のうちになんとか千円ためようと決心した」が、確かな腕で、あっという間に、月々千円儲けるのが軽くなる。金を貯める気はなくなり、無茶な遊びもしたが、生き方には一本、芯が通っていた。少年時代からの自動車に注ぐ情熱であり、大きな夢である。その夢を実現させたのが、本田の陰にいた藤沢武夫という存在だ。モノづくりの天才である本田と、経営のプロ藤沢という車の両輪があって、ホンダは初めて発展した。稀なコンビが出会ったのは1949(昭和24)年の春。藤沢が38歳、本田は42歳のことだった。その前年、本田は浜松で本田技研工業を設立。オートバイのドリーム号を開発し、作るそばか ………
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