「介護迷走」立ち往生する厚労省

背景に絶対的な人手不足。残された道は保険料を増やすか、外国人頼みしかないのだが……。

2007年8月号 POLITICS

  • はてなブックマークに追加

コムスン事件の背景には、介護業界の絶対的な人手不足がある。この2~3年、事業者が新しいサービス拠点を開設しようにも、人材が集まらない状態が続いている。事件の発端となった昨年末の東京都の監査では、ニチイ学館とジャパンケアサービスがコムスンとともに改善勧告と文書指導を受けた。両社はそれぞれ介護最大手企業と「『民間事業者の質を高める』全国介護事業者協議会」(民介協)の会長企業であり、いわば業界のリーダーである。コムスンを含めて3社とも、「名義借り」や専門職の専従義務違反、サービス提供責任者の不在などいずれもスタッフ不足による辻褄合わせが法令違反となった。ニチイ学館とジャパンケアは都の指導を受け入れたが、コムスンは直前に事業所の廃業届を出して処分を逃れた。この行政に「逆らった」姿勢が、都と厚生労働省の「逆鱗」に触れてしまう。厚労省は直ちに全都道府 ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。