2007年8月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]
OPEC(石油輸出国機構)の「天然ガス版」構想を打ち出している資源大国ロシアのプーチン大統領が、今度はユーラシア大陸を包括するユーラシア版WTO(世界貿易機関)の創設を提言している。サンクトペテルブルクで6月に開かれた国際経済フォーラムで明らかにしたもので、欧州からアジアにまたがるユーラシア大陸へのエネルギー安定供給とアジア太平洋地域への供給拡大を図り、同地域への投資・貿易を促進する考えだ。この提言に伴い、カザフスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンといった中央アジアの資源国やパイプライン通過国、消費国との間で戦略的対話を持つ必要があることも強調した。一方で、プーチン大統領は従来のWTOには厳しい批判を展開。多角的通商交渉( ドーハ・ラウンド)が行き詰まっているとして「少数の参加国を前提に始まったWTOは古臭く非民主的」「今では先進国の利益のみを保 ………
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