発足前から米ファンドに30億ドル出資の拙速。対米摩擦解消と過剰流動性吸収の一石二鳥だが。
2007年7月号 GLOBAL
米中戦略対話を2日後に控えた5月20日、中国が米国の大手私募(プライベート・エクイティ)ファンド「ブラックストーン・グループ」に対し30億ドル(約3600億円)を出資する計画を発表した。戦略対話で人民元切り上げ圧力をかわす狙いがあったのは明らかで、200億ドルを超す米国からの買い物と合わせ、1兆2020億ドルに達した世界一の外貨準備の「還流」で摩擦を緩和しようとしたものだ。誰もが目を剥いたのは投資する主体。中国政府が設立準備中の投資専門機関「国家投資公司」(仮称、SIC)だったのだ。「国家外匯(外為)投資公司」(SFEIC)とも呼ばれる幻のマンモス投資機関が初めて姿を見せた瞬間だ。SICが国際金融界の話題の的になったのは3月9日。金人慶財政部長が会見で「(貿易決済などの)正常な支払準備と外貨投資を分離し、支払準備は外為管理局に、投資はシンガポール政府の投資会社テマセ ………
オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。
FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。