2007年7月号 GLOBAL [グローバル・インサイド]
月の表土に堆積し、化石燃料に替わる将来のエネルギー源として注目される「ヘリウム3」。この採取計画で米国が欧州宇宙局などとの協力関係を取りつけたことに、ロシアのプーチン大統領が「米国の独走」と反発している。月の表土には、地球上で必要とされる約100年分のエネルギーを賄うことができるヘリウム3が堆積しているとされ、「魔法の燃料」と呼ばれる。専門家は「ヘリウム3の供給源を握れば、地球最大のエネルギー保有国になる」とみており、石油、天然ガス市場で覇権を強めてきたロシアとしては、ヘリウム3がライバルの管理下に置かれるのは避けたいところだ。米航空宇宙局(NASA)が5月に欧州宇宙局と英国の協力を得たと表明したことや、ブッシュ米大統領がNASAの顧問に月面掘削の複数の専門家を配置していることが、ロシア側の癇に障ったのは間違いない。ロシア連邦宇宙局のアナトリー・ペルミ ………
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