人材バンクは単なる激変緩和措置。目くらましの裏で、財務省が「悪玉」にされた。
2007年6月号 BUSINESS
「公務員制度改革ウォーズ」に、永田町と霞が関が熱い。小泉純一郎前首相の「勝利の方程式」は、内角に剛速球を投げて抵抗勢力の反発を誘い、バッシングでマスコミを騒がせ、国民の耳目を集めたところで首相が裁断を下す政治の「劇場化」だった。安倍晋三首相もこれを踏襲するはずが、郵政民営化反対議員の復党を認めたおかげで“敵”を探しあぐねてきた。それがやっと格好の悪玉をみつけた。霞が関、とりわけ牙城の財務省である。「公務員のやる気をそぐ」「優秀な人材が公務員離れする」と全省庁がこぞって抵抗した国家公務員法の改正案が、すったもんだの末に4月24日午後7時過ぎに閣議決定された。朝でなく夜の閣議、しかも首相訪米直前の25日に国会提出という異例の「滑りこみ」になったのは、霞が関が自民党の一部(官僚OB議員、いわゆる「過去官僚」や族議員)と組み、引き延ばしを図ったからだ。
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