自縄自縛か「ブレア後」の英国

さらば「ブレアの10年」。後継ブラウンは、自ら課した財政引き締めで大胆に変身できず。

2007年6月号 GLOBAL

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トニー・ブレアが7月早々に英国首相を辞任する。それを正式表明する。1997年5月の就任以来およそ10年間、彼は政権の座にあった。これで英国政治、および国際政治の舞台から、おなじみの「顔」が消えることになる。2004年秋時点のブレアは、05年5月の総選挙に始まる3期目の任期を全うし、4期目には挑まないことを明らかにしていた。これを機に降板へのカウントダウンが始まった。しかしその3期目に入って、まだ2年しか経っていない。任期2年余を残して、なぜブレアは退陣しようとしているのか。ブレアは与党労働党や国民に忍耐を強いてきた。それだけではないとしても、その大半はイラク戦争に起因する。ある世論調査では、「ブレア首相についてもっとも印象に残ったこと」を問われた回答者の3分の2が「イラク戦争」を挙げたことからもそれは明らかだろう。イラク戦争は、ブレアに対する国民の信頼を急速 ………

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