2007年6月号 連載 [CHALLENGER]
金融界の名門、損害保険最大手の東京海上日動火災保険が「埋もれている」。5年前の丸の内ビルディングに続いて4月末、38階建ての新丸ビルが完成し、ついに東京駅から東京海上日動火災保険ビル(25階建て)を見通すことができなくなった。東京海上ビル(前川國男設計)は1974年に竣工。駅舎に合わせた瀟洒な煉瓦タイルの近代建築は丸の内で長く異彩を放ち、完成直後に人気刑事ドラマ「Gメン75」の中で本部に採用されたことでも知られる。その名物ビルの存在感の低下は同社の現状を端的に示す。「この会社のあり方そのものが問われている」。4月13日、日銀本店で開いた記者会見。社長の石原邦夫(63)の横で、6月末の株主総会後に新社長に就任する専務の隅修三(59)は厳しい表情を浮かべた。新社長のお披露目だが、お祝いムードは皆無。それもそのはず、この会見は3月に金融庁から下された保険金不払いを ………
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