2007年6月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
東京証券取引所のトップ辞任にまで発展したみずほ証券によるジェイコム株の「誤発注事件」で、証券会社が誤発注で得た利益を返上する受け皿として設立された「証券市場基盤整備基金」が立ち往生している。200億円を超える資金の使い道が決まらず、担当者は頭を抱えているという。「火事場泥棒」といった証券会社批判にたまりかねた各社が、日本証券業協会の「要請」に応じる形で、自主的に利益を返上して誕生したのが同基金。証券50社が総額209億円を出した。生い立ちからして、曖昧で超法規的な基金だけに、その使い道も簡単には決まらない。基金の規定では、システム障害の未然防止や大規模災害時でも業務を継続できるための基盤整備に使うとされ、具体的な使途を検討するための「運営審議会」が日証協に置かれた。ただ、「209億円という金額は業界全体のバックアップシステムを作るには少なすぎる」 ………
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