火を噴く韓国アスベスト被害

ソウルの地下鉄労働者の中で肺がん急増。日本の後を追う大問題に。

2007年6月号 DEEP

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韓国で今、アスベスト(石綿)問題が火を噴こうとしている。経済の急成長でビルや住宅、地下鉄、道路などが急ピッチで整備されたが、対策が十分に講じられなかったためだ。韓国での石綿の輸入は1976年から増え始め、95年にピークを迎えている。韓国の経済成長とも重なる。人体に入った微細な石綿繊維は十数年から40年たって中皮腫や肺がんなどを引き起こす。日本では機械メーカーのクボタ(大阪市)が兵庫県尼崎市にあった旧神崎工場の周辺で多数の被害者を出した「クボタショック」が有名。それと同様に、韓国でも今後、製造業や建設業、地下鉄などの労働者に加え、周辺被害の発生が危惧され始めた。ソウル市内の地下鉄駅の天井には石綿が吹き付けられた跡がくっきりと残っている。地下鉄の労働組合の調査によると、アスベストの中では毒性の強い角閃石系の「トレモライト」が使われ、それを削ったよう ………

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