2007年6月号 DEEP [ディープ・インサイド]
兼松が77%出資する子会社・新東亜交易(東京、年商2175億円)による石油取引をめぐり、関係先の連鎖倒産が起きている。同社が出資する親密な取引先だった、森産業海運(大阪)とシンコーサービス(同)が4月に相次いで破産。これにより新東亜に総額33億円余の不良債権が発生。このほかにも複数の企業名が取り沙汰されており、「帳簿上で売買を繰り返す『循環取引』」の疑惑が浮上。兼松側は「業者間転売(業転)ではあるものの会計上の問題はない」と主張するが、兼松には過去に石油取引の業転に関する不祥事がある。94年、兼松の子会社だった「兼松エネルギー」を舞台にした業転問題が発覚、トーメンが損害賠償訴訟を起こし、和解金支払いで決着した。また、95年には、兼松の香港子会社が原油先物取引の失敗で当時約9千万ドルの損失を出したこともあった。目先の売り上げにこだわり「虚業」に突き進ん ………
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