「ポスト・イラク」へ発想を転換せよ

このまま米軍撤退では破局が拡散する。大戦後のように、新しい横断的な国際協議の場を。

2007年6月号 GLOBAL

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一見、解決困難な問題でも、逆説的だが、問題を拡大したほうが解ける時がある。解決すべき問題の範囲を広げてみると、狭い領域に拘泥した戦術的、個別的な解でなく、戦略的な解が見つかるかもしれない。「イラク」はまさしくそれにあたる。イラクで毎日発生する惨事に、アメリカ国民は釘付けである。議論はきっぱり両極に分かれた。一方は攻勢を貫きたい共和党。他方は兵力の段階的移転と撤退を始めたい民主党である。「長期」はニュース報道のサイクルで測られ、数年や数十年などという悠長な期間を意味しない。とにかく、イラクには破局が忍び寄っている。シーア派対スンニ派の抗争に伴う内戦や反乱が、中東全域に飛び火する恐れがあるからだ。イラクは解体しかねない。そうなれば、トルコやイランなどの周辺国も、紛争に巻き込まれてしまったことに気づく日が到来するかもしれないのだ。現下のイラク ………

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