好調な米国本社の名を冠し反転攻勢に出る「メルク万有」

2007年6月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]

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リストラの先手を打った米メルクが元気を取り戻してきた。06年業績は売上高約226億ドル、前期比3%増にとどまるが、昨年から今年にかけて新しいタイプの糖尿病治療薬のジャヌビア、そして子宮頸がん予防ワクチンのガーダシルが欧米で承認、発売になり、いずれもブロックバスター(画期的新薬)となる期待が高まっているためだ。同社の日本法人である万有製薬は、今年度下半期にはメルク万有に改称、勢いづくメルク本社の名前を前面に押し出し攻勢をかける戦略だ。メルクの悲劇は、心血管系での副作用の原因として、消炎鎮痛剤のバイオックスの販売を04年に中止したことに始まる。バイオックスは未だに訴訟問題を抱え、その費用だけで昨年度6億7300万ドルを費やしている。その風向きを変えたのは、先の二つの新薬の登場だ。いずれも欧米では競争相手に先んじて承認・発売となった薬剤であり、年間売上高 ………

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