「乱射」とFTAは過渡期韓国の象徴

アメリカンドリームの裏の屈折。片や暴発、片や開放。偏狭な民族主義と決別の兆しか。

2007年6月号 GLOBAL

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韓国にとって「米国」はどんな存在なのか? 画期的な米韓FTA(自由貿易協定)の交渉妥結と、その直後に起きた米バージニア工科大での銃乱射事件は、韓国における米国の存在の大きさを改めて浮き彫りにした。年末の大統領選挙まで、あと半年。開放(FTA)と暴発(乱射)という対照的な二つの「事件」は、偏狭な民族主義を背景に生まれた盧(ノ)武(ム)鉉(ヒヨン)政権から、10年ぶりの保守政権への再転換を予告するメルクマール(指標)になるかもしれない。言うまでもなく、米韓FTA妥結の意義はきわめて大きい。米韓FTAが発効すれば、韓国が米国に輸出する自動車や家電製品は関税がかからないぶん安くなり、他国製品より売りやすくなる。韓国は農業分野での痛みを我慢しても、米国という巨大市場で優位に立つ。米国は日本や中国の動向を牽制する意味も込めて、韓国にクサビを打ち込んだ。韓国は中断 ………

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