創業家が呼んだ「切り札」

2007年5月号 連載 [CHALLENGER]

  • はてなブックマークに追加

三洋電機の創業家出身、井植敏雅社長が4月2日、大株主である米証券会社ゴールドマン・サックスと経営路線をめぐって「格闘」の末、一敗地にまみれ、辞任した。井植氏が自分の首と引き換えに切った「最後のカード」が後継社長の指名。「後任は佐野でお願いします」。3月27日、井植氏は密かにメーンバンクの三井住友銀行を訪れ、奥正之頭取への根回しも終えた。創業家直々の指名を受け、新社長に就任したのは、執行役員で総務人事本部長の佐野精一郎氏(54)。社内でも驚きの声が出るほど「ダークホース」だった。3月28日の緊急記者会見で井植氏は「私がいる隣のフロアにいたので、この一年間の仕事ぶりをよく知っている」からと指名の理由を説明した。存続さえ危ぶまれる極度の経営不振。人員削減や賃金カットなどリストラを推進するため、いつも労使交渉の矢面に立つ佐野氏の「活躍」が井植氏には頼もし ………

ログイン

オンラインサービスをご利用いただくには会員認証が必要です。
IDとパスワードをご入力のうえ、ログインしてください。

FACTA onlineは購読者限定のオンライン会員サービス(無料)です。年間定期購読をご契約の方は「最新号含む過去12号分の記事全文」を閲覧いただけます。オンライン会員登録がお済みでない方はこちらからお手続きください(※オンライン会員サービスの詳細はこちらをご覧ください)。