映画 『ラストキング・オブ・スコットランド』
2007年5月号 連載 [IMAGE Review]
「スコットランドの最後の王様」という原題のままの奇妙なタイトルは、大半の日本人にはわかりにくいのではないだろうか。1970年代に東アフリカのウガンダに君臨し、30万人あるいは50万人を殺害したといわれるイディ・アミン大統領を、彼の主治医になったスコットランドの青年医師の目から見た作品であり、「スコットランド王」とは饒舌なアミンが自称した称号のひとつである。医師として人々の役に立ちたいという素朴な願いと青年らしい冒険心から、ニコラス(ジェームズ・マカヴォイ)が赴任先に選んだのはウガンダのムガンボ村の診療所。オボテ政権をクーデターで倒したアミン(フォレスト・ウィテカー)が大統領になった直後であり、自由を約束する新大統領の熱っぽい演説に村民は熱狂し、ニコラスも感激して彼らとともに拳を振り上げる。演説の帰途、事故にあったアミンを治療したことから、彼は大 ………
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