2007年5月号 BUSINESS [ビジネス・インサイド]
野中ともよ会長が突然辞任し、創業家出身の井植敏雅社長も事実上解任された三洋電機で混乱が続いている。議決権の7割を保有する米ゴールドマン・サックスグループ、大和証券SMBCグループ、三井住友銀行の金融3社にとって、再建の足かせになっていた首脳部退陣は思う壺の展開だったが、井植氏から指名された後継社長が労働組合と結託して、「金融3社」への反発を強めているからだ。井植前社長が3月下旬、金融3社に自らの首を差し出す代わりに後継指名を認めさせ、4月2日付で佐野精一郎氏にバトンタッチした。佐野氏は入社以来人事畑一筋で、事業経験はゼロ。「井植ファミリー」の側近として、長年の労使交渉を仕切ってきた人物だ。社長に内定した佐野氏が、最初にやったことは、肝胆相照らす労組を通じた先制パンチ。ゴールドマンが携帯電話やデジタルカメラなどの主力事業を売却しようと策動しているた ………
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