トヨタを襲う北米事業の「リスク」

快進撃の陰で山積する課題。「ドル箱」から「アキレス腱」になりかねない隠された事情。

2007年5月号 BUSINESS

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米国ミシシッピ州テュペロ。人口3万4千人余り、ロックンロールの王様エルビス・プレスリーの生誕地としてしか知られることがないディープ・サウス(深南部)の田舎町が2月27日、喜びに沸き返った。トヨタ自動車がこの日、テュペロ郊外で北米8番目の車両組み立て工場の建設を正式に発表したのだ。記者会見場となった市内の高校ではブラスバンドの演奏が鳴り響き、今や米ゼネラルモーターズ(GM)を抜いて世界一の座が視界に入った日本メーカーの進出を歓迎した。ミシシッピ州はブルースやジャズなど黒人音楽のメッカとして知られる。しかし、経済は綿花栽培など農業依存の産業構造が長く続き、州民の所得水準は全米50州の中で最も低い。2003年には日産自動車が工場を建設したものの、05年8月末に直撃した大型ハリケーン「カトリーナ」の後遺症が長引き、06年12月の失業率は全米平均(4.5%)を大きく上回 ………

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