中央アジアの苦悶映す実験劇

演劇 『コーランに倣いて』

2007年4月号 連載 [IMAGE Review]

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ロシアの文豪プーシキンがイスラムの聖典コーランに触発され、長編詩「コーランに倣(なら)いて」を書いていたとは、寡聞にして知らなかった。中央アジアのウズベキスタンのイルホム劇場が3月上旬、その詩に基づいた舞台の来日公演(国際交流基金招聘)を松本市と東京で行った。詩的な台詞に、ビデオ映像、ライブ演奏、踊りなどが複合的に融け合い、刺激的で実験精神にあふれたマルチメディア・パフォーマンスだ。イスラム教徒が多数派を占めるウズベキスタンにおいて宗教的寛容の是非を問うた問題作である。切開手術中の心臓が、舞台奥のパネルにアップで映し出される。ドク、ドク、ドクと激しい心拍音が聞こえる。その前では一人の男の心臓がえぐり取られている。「天使は剣で私の胸を切り裂き、震えおののく心臓を取り出すと、炎をあげて燃えさかる石を、口を開けた胸の中に押し込んだ」と詩句が唱 ………

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