「脱石油」エタノールのジレンマ

食糧か燃料かで穀物相場急騰。寡占化も進み、肥料や農薬の使用が増える矛盾も。

2007年4月号 BUSINESS

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トウモロコシなど穀物を原料とする代替エネルギー、エタノールをもてはやした張本人は、ジョージ・ブッシュ米大統領である。今年の一般教書演説で「ガソリン消費量の20%を今後10年で再生可能燃料に置き換える」と明言した。当面の主役がエタノール。ガソリン漬けの米国のエネルギー不安を吹き飛ばす「打ち出の小槌」と見えたのだが、とんだ副作用が起きた。トウモロコシが先導した穀物相場の高騰である。農家と商品市場や株式市場のブローカーの双方が「エタノール」熱につかれた。在庫率は6.4%と過去2番目の低さ。昨年の豊作にもかかわらずエタノール需要で需給逼迫に陥り、ヘッジファンドなどの投機資金が流れこんだ。シカゴのトウモロコシ価格は2月下旬に10年8カ月ぶりの高値を記録し、一部農家もその恩恵に与った。悲鳴を上げたのが食品会社。シリアルやスナックなどは原料費の急騰を吸収しきれず ………

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