何やらゆかし「落語ブーム」

「寄席はどこもお客さんでいっぱいだが、引き潮のようになくなってしまうのが怖い……」(席亭)

2007年4月号 DEEP

この正月、東京都内の定席(常時寄席興行を行っている演芸場)は、どこも客であふれていた。例年、初席のにぎわいはこんなものだが、少
々様子が違っていた。場内から起こる笑いが、弾けるように若い。屈託がない――。ああ、これが昨今言われる「落語ブーム」の一つの表象なのか、と思った。どこか隠微な雰囲気を漂わせ、それが最大の魅力でもあった落語だが、それを専有していた一部の好事家やファンのものからまさに解放されようとしている。かと言って、本物の「落語ブーム」を謳歌するのはまだ幾重もの山坂を越える必要がある、と思ったのも確かだ。ある席亭(演芸場経営者)からこんなつぶやきも聞いた。「やはり、ブームというのでしょうか。お陰さまで、お客さんはいっぱいです。しかし、怖いのは、満ちて来た潮が引き潮のようになくなってしまうことです。これまで、同じようなことが何度もあり ………

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