満州逃避行が生んだ「美点凝視」
2007年3月号 連載 [経営者のひきだし 第11回]
自らは法外な報酬を手にしておいて、社員には「コミットメント」や「目標設定」などと高いハードルを押しつけ、未達成な点ばかりを論って給与を抑え込む。そんな風潮が経営層にはびこりかけていたが、やはり、ほころびが見え始めた。 トップダウン経営と称し、どんな立派な経営戦略を立てても、それを実現するのは社員たち。人間を大切にしない経営は、しょせん、先細る。「貴其所長、忘其所短」(その長ずるところを貴び、その短なるところを忘る)。『三国志』で呉を率いた孫権は、部下の使い方を、こう説いた。短所には目をつむり、長所を大事にして、力を発揮させる。無論、「忘る」とは、本当に忘れてしまうことではない。欠点をよく知ったうえで、それにとらわれず、得意とするところで働いてもらう。 美点凝視。社員がのびのびと力を発揮するには、大切なことだ。何年かに一度、この言葉を語 ………
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