日清食品創業者会長 安藤百福氏

即席ラーメンは僥倖

2007年3月号 連載 [ひとつの人生]

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 即席ラーメンを開発した日清食品創業者の安藤百福氏は、日本の植民地だった台湾・台南県に生まれた。幼いときに両親を亡くしたせいか独立心が強く、義務教育を終えると間もなくメリヤス製造に乗り出した。その後、蚕糸事業、炭焼き、軍用機のエンジン部品製造なども手がけていく。 戦後になって氏が即席ラーメンの開発を思い立ったのは「大阪の焼け跡でラーメン屋台に並ぶ人々を見たのがきっかけ」とされているが、実は前史がある。軍用機エンジンの工場を経営していた当時、物資横流しの濡れ衣を着せられ憲兵隊の拷問を受けた安藤氏は、留置場でわずかな食事をむさぼる同房者の姿を見るうち「食が足りていなければ衣も住もあったものではない」と思い至る。これが原点だったのだと、後に回想している。 理事長を引き受けていた信用組合が倒産し、無一文になって大阪府池田市の自宅に建てた小屋で即 ………

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