「複数の戦争が勃発する」アシュダウン卿の予言

「イラクの負け戦」の後に控えるイランの脅威とサウジの地雷。英国の戦略通が警告を発した。

2007年3月号 GLOBAL

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 頑強な“裸の王様”――米英2国では、国民はじめ政府機関、軍がこぞって泥沼のイラクからの撤退を望んでいるのに、指導者であるジョージ・ブッシュ大統領とトニー・ブレア首相だけが、最後までイラクにとどまろうとしている。ここでイラクを見捨てたら、中東全域に混乱が広がり惨禍はもっと大きい、と主張して。ならば中東情勢が安定しなかった場合を想定して、日本や西側諸国が直面するリスクを分析しよう。 2002~06年に国連ボスニア・ヘルツェゴビナ上級代表を務めた英国のアシュダウン卿――パディ・アシュダウン上院議員(元自由民主党党首)は昨年11月、英西部バースで行った講演の後、400人を超える聴衆を前に直近の世界情勢の見通しを尋ねられた。 米英両国がイラクで敢行した「冒険」に慎重な言葉遣いながらも強く批判をしてきた同氏が、今回は驚くほど大胆な予言を語った。「世界の力の構造に過 ………

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