中部財界の名門、名古屋鉄道の蹉跌

我が世の春を謳歌する中部経済を横目にリストラ続きだが、その手法はぬるま湯的。

2007年3月号 BUSINESS

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「いざなぎ超え」の好況が続き、「失われた10年」から立ち直りつつある日本経済。とりわけ飛ぶ鳥を落とす勢いでの経済発展が続いているのは中部経済圏だ。しかし、そうした中で、「蚊帳の外」にいるかのごとく、名古屋の名門企業、名古屋鉄道が「負の遺産」の処理に苦しんでいる。その処理の仕方からは、地域独占の公益企業の「ぬるま湯的」な体質も透けて見える。 名鉄は創業110年を超える老舗。中部電力、東邦ガス、松坂屋、旧東海銀行と並び名古屋財界の「五摂家」と称されてきた。日銀理事出身の箕浦宗吉取締役相談役(79)は現在、名古屋商工会議所会頭を務める。 名古屋の経済記者が名鉄の動きで注目していることがある。JR名古屋駅横にある子会社の名鉄百貨店の動向だ。伊勢丹への身売り説が流れているのだ(名鉄広報宣伝部は否定)。名鉄百貨店は現在改装工事を進めているが、高層ビルが並び ………

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