水産業界の台風の目「日本水産」

マルハ・ニチロの次は「業界優等生」が標的に。食指を動かすのは外資系か異業種メーカーか。

2007年3月号 BUSINESS

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 無風だった水産業界にも、ついに再編の火がついた。起爆剤は昨年暮れに発表された最大手のマルハグループ本社(旧大洋漁業)と3位のニチロ(旧日魯漁業)の経営統合だ。 両社は今年10月、まず持ち株会社「マルハニチロホールディングス」の傘下に入り、その後、水産、食品、畜産、物流保管の主要4事業ごとに再編される。会長には田中龍彦・ニチロ社長、社長にはみずほコーポレート銀行(旧日本興業銀行)出身の五十嵐勇二・マルハ社長が就任する。売上高予想の合計は1兆円の大台に乗る。味の素に並ぶ巨大食品メーカーが誕生する。「世界的に水産物の需要が増える中、今後は不利な状況に置かれかねない。統合でそうした状況に対応できる機能を強化したい」(ニチロ・田中社長)「国内の水産市場は飽和状態にあり、全体のパイが増えない。事業拡大を進めるため、統合という結論に至った」(マルハ・五 ………

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